6/26(日)

招  詞 詩編47:1

交読詩編 62:1-13

聖  書 サムエル記上16:14-23

     使徒言行録16:16-24

説  教 「神の子イエス、かまわないでくれ」

       川浦 弥生 牧師

讃 美 歌26.533.521.509.92

<ことば> イエスは弟子たちとガリラヤ湖をわたって、デカポリスの一つであるゲラさという地域にやってきました。イエスが船から降りるとすぐに悪霊にとりつかれた男が墓場からやってきます。この人は墓場を住まいとしていて、鎖を用いてさえつなぎとめておくことはできないような、暴れ方をし、また夜昼かまわず叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていたというのですから、本人のみならず周囲の人も大変だったし、心を痛めていたことでしょう。彼は走り寄ってひれ伏し、「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい」と叫びます。イエスが「汚れた霊、この人から出ていけ」と言われたからでした。この人は最初にイエスに近づいたのですから、イエスがそう仰るのは流れからして自然なことでしょう。苦しんでいることがすぐに見て取れたから、癒そうとなさったのです。しかし、ちぐはぐなことにイエスに「苦しめないでほしい」と言います。実は人間にはこういうことはしばしば起こるのです。人間は素直な感情をだせなくなることがあります。それは、その感情をそのまま受け入れてもらえない環境にいる時で、ひどい抑圧の中にいる場合です。ある人はそういうふうに感情と行動や言葉がちぐはぐになります。また、ある人は感情を感じないようにするのですが、体の不調として現れます。この男はちゃんと神に「助けてほしい」と言えるようにならなければなりませんでした。そして、その苦しみはあなたのせいではないと知らなければなりませんでした。