2022 年4月17日
復活節第1主日・復活日(イースター)

招   詞  詩編18:47
交読詩編  113:1-9  
聖  書  イザヤ書42:10-16
     マルコ福音書16:1-8
説   教 「誰にも話さなかったのに」
      川浦弥生牧師
讃美歌*   26、575(3)、323(1,4)、 92(1)

<ことば> 

「婦人たちは墓を出て逃げ去った。震えあがり、正気を失っていた。そして、だれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである」

十字架後、墓を訪れた女性たちは誰にも何も言わなかったという言葉で終わっています。尻切れトンボなわけです。著者はエネルギーが切れたのでしょうか。それとも、権力の前に恐れをなして口をつぐんだのでしょうか。実に不思議ですが、この終わり方によって私たちにとてつもなく大きい恵みを与えられています。これこそが神の啓示なのだと思わざるをえません。もうこれが最後の奉仕だと思って、墓に出かけ、大きな石のことで頭を悩ませていたマグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメに、白い長い衣を着た若者は「あのかたは、復活なさって、ここにはおられない。あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる」と告げました。まったく違う局面である、まだ見ぬ未来を約束しました。人がこれで終わりだと決めたとしても、その決断のなかにイエスを閉じ込めておくことはできません。あまりにもショックで、もう誰にも何も話さないと決めたとしても、事実は消えません。イエスの十字架は、すぐには目に見えない仕方ですが、大きく人間の世界を変えました。