2022 年4月3日
復活前第2主日・受難節第5主日


招   詞  詩編8:2
交読詩編   30:1-13
聖  書  哀歌3:18-33 (旧 1289p)
      マルコ福音書10:32-45(82p)
祈   祷  司式者
説   教 「仕える者になりなさい」
            川浦弥生牧師
讃美歌*   26 298 575(1)

<ことば>
イエスが十字架に向かって歩む受難節は、私たちもまたこの世における自
分の旅がどこに向かって歩んでいるかを確認する時期です。また、道を迷
っていないか、余計な寄り道をしすぎていないかを振り返るための時間で
もあります。その振り返りはこの世の最後まで続きます。本当に大事なゴ
ールを見失ってはいけません。「わたしに立ちかえれ」といつもいつも神
さまが仰るのは、私たちがつい道から離れてしまうからなのでしょう。1
週間のうちにもいろいろな出来事によって、気持ちがふわふわしてしまい
ます。私たちの考えや気持ちは、現れては消えるもののほとんどは行きず
りのものであり、後には残りません。日本語には浮世という言葉があるよ
うに、どれだけ必死になっても、むしろなればなるほどに、何も受け取る
ことはありません。この世の現実は風に舞う塵のように消えていきます。
塵を追いかけて生きる幻想から、いつまでも残るものへ導くイエスを再び
見いだして、いのちの道に戻されるという連続が人生です。
今日の聖書箇所では、弟子たちに十字架の死と復活を予告した後、「あな
たがたのなかで偉くなりたいものは、皆に仕えるものになり、一番上にな
りたい者は、すべての人の僕になりなさい」と教えます。「皆に仕える」
「すべての人の僕になる」とは、どういうことでしょうか。仕えるとは、
神の言葉によって促され、育てられた、生きたいのちの交わりによって、
わたしたちは心の飢えから解放され、人間として愛のある生活をすること
ができるために必要なことです。