2022 年11月20日降誕前第5主日・収穫感謝日・謝恩日
招  詞 詩編 105:1
交読詩編 19:1-15
聖  書 サムエル記5:1-5(旧487p)
     ルカ福音書21:20-28(新152p)
説  教 「人の子がくる時」
       川浦弥生 牧師

讃 美 歌 26.7.12.402.92

<ことば>
終末論という言葉をキリスト者は聞くのですが、なかなか理解する
ことが難しいのではないでしょうか。マルコ福音書を思い出してい
ただきたいのですが、イエスの宣教の始まりは「時は満ち、神の国
は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」という言葉から始まっ
たと伝えています。時は満ちたというのは、神の創造から始まった
世界が、その神の目的に近づいたのだよということです。ですか
ら、イエスは終末をはるか遠くの手の届かない世界の出来事として
ではなくて、自分たちが生きている歴史と共にある、と教えていま
した。もともとユダヤ教の最も基本的な考え方は、世界は神の創造
で始まり、神の支配が人間の歴史を通して行われるが、人間は神に
背き続けるため、神は世界をまったく新たにされて世を救うとい
う、一方向への進み方をするのだという考え方です。まったく新し
くされるということは、直前か同時に終わりがあるということで、
これを終末といいます。仏教では輪廻転生という言葉があるよう
に、循環すると考えています。亡くなって 49 日目に生まれ変わる
というのですから、終末とはかなり異なる世界観です。